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江戸切子解説サイトは江戸切子について雑学を絡めて解説を行うユーザー視点のサイトです。

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江戸切子の構造

江戸切子の構造

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江戸切子に使用しているガラス、
底の厚み、
耐熱性などの
構造的観点から雑学を交えて
詳しく説明します。

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割れない江戸切子というのは、熱に強い耐熱ガラスで作られている江戸切子のことです。


製作している工房は限られますが「この江戸切子は耐熱ガラスを使用しています」と表記のあるものがあります。


表記のないものは基本的には熱に強くないと思って頂いて結構です。
通常のガラスはソーダガラスというもので出来ているのですが、それについては私が独立して江戸切子の工房の方のホームページで紹介しているので、確認してみて下さい。

切子工房 箴光(しんこう) ソーダガラスとクリスタルガラス
※別のサイトに飛びます。

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色被せ(いろきせ)ガラスの使用

江戸切子の最大の特徴と言えば、
色つきのガラスで、
カットした面がなぜか透明になるという
驚きの構造です。

その魔法のような構造は
以下のようになっています。

まずは外側に色つきのガラスを作ります。
そして、その中に透明なガラスを吹き付けた
2重構造になっています。


このようなガラスを
色被せ(いろきせ)ガラスと言います。

私としては、
色被せ(いろかぶせ)ガラスとか
「被せ」じゃなくて「着せ」の漢字の間違いじゃないの?
とか思っていますが、
色被せ(いろきせ)ガラスだそうです。

情報の出所がわからず、
根拠を探すことができないので
盲目的に信じるしかありません。


この色被せガラスをカットすると、
表面の色つきの部分が削れてなくなり、
内側の透明な部分が残ります。

図で見るとこんな感じです。



実際の写真はこんな感じです。

このグラデーションが
江戸切子最大の魅力ですね。

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底の厚み

江戸切子として使用されるグラスは
お酒を飲むのに使用されるグラスも多いです。

例えば、
オールドグラスやロックグラスは
お酒を飲むときのグラスです。

お酒を飲むためのグラスと言うのは
お酒をかき混ぜるマドラーで
底を突いても割れないように
厚めに作られていることが多いです。
(あとはコップを倒れづらくするため
 という意味もあります)

ロックグラスなんかは
厚めに作られた底に
重厚感を感じることができ、
見た目的にも機能的にも優れています。


その底の厚みが
江戸切子と何の関係があるかというと、
底の厚みがレンズのようになって、
光が屈折します。


細かい物理法則の説明は抜きで、
実際にどういう状態が起きるのか
写真を見て下さい。

底に削った模様が
光の屈折によって上の方まで
持ち上がっているように見えます。
これがなんともきれいです。

つまり、
マドラーへの耐久性をあげる機能向上の目的で
底が厚い構造なのに結果的に
・重厚感が出る
・グラスの底にカットが入ることにより、
 偶然の産物で光の屈折により
 江戸切子のデザインに生かすことができる。


という2つの見た目の良さを上げる
効果をもたらしています。

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江戸切子の耐熱性

いきなり問題ですが、
分厚い牛乳瓶と
薄いガラスコップ、
熱湯を注いだ時に
割れやすいのはどちらでしょうか?


江戸切子はどちらかと言えば、
厚めのコップの部類に入ると思います。
さっきも話した通り、特に底が厚いです。


答えですが、
実は強固に見える
分厚い牛乳瓶の方が耐熱性がなく、
割れやすいです。


ガラスは鉄や水に比べて熱伝導率が非常に低く、
温度差が生じやすい特徴があります。


ガラスに熱を加えていくと、
ガラス表面と内部にも温度差による膨張の差が生まれ、
突然バリーンと崩壊してしまいます。


厚みがある分だけ、
内部に入れた熱湯の温度が
外部に伝わりにくくなり、
温度差が出来やすいので
壊れやすいです。


一般的に50度くらいの熱燗の温度なら、
ぐいのみは耐えられるので大丈夫ですが、
急須に入れる適正なお茶の温度75度や、
コーヒーのドリップに適した温度85~93度の
高温の液体を
江戸切子のタンブラーに入れると割れてしまいます。

あっつあつの飲料は
ガラスの構造上注ぐことはできないので
覚えておいて下さい



特に江戸切子は厚めのガラスなので、
耐熱性は一般のガラスコップよりも
無いと思って下さい。


さらに江戸切子は表面をカットしていますので、
より一層熱に弱く割れやすいです。



もっと詳しく話すと、
物理とか化学の世界の話で
埋め尽くされてしまうので
ここで構造の解説については
終わりにしたいと思います。


その他、江戸切子の雑学など
江戸切子とは 」のページも面白いと思うので
見てみてください。

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